ラッシュが誕生したのは1994年6月。英国南西海岸のプール市に本社を構え、翌年の4月には同市に第1号店を開店し、同時に通信販売「ラッシュタイムズ」の発行をスタートしました。その1ヵ月後にロンドンのコベントガーデンに2号店を開店し、その独創的でユニークな商品は話題を呼び、同年の9月には流行発信地のキングスロードに3号店を開店しました。その後イギリス国内でも販売拠点を拡大しながら、カナダ、クロアチア、イタリア、スウェーデン、ブラジル、オーストラリア、台湾、アメリカなど海外へ進出。各国でラッシュ旋風を巻き起こしました。ラッシュ1号店が誕生してから10年を経た現在、世界35カ国370店舗を展開するブランドになり、今後さらに成長し続けていきます。
ラッシュジャパンが誕生したのは1998年10月1日。翌年1999年3月4日に日本第1号店を東京・自由が丘に開店しました。自由が丘のお店はヨーロッパのデリカテッセンと、日本古来の八百屋の雰囲気を残した売り場作りをしています。それぞれの製品を日本人の肌にも合わせたオリジナルの成分でできており、「天使の優しさ」「愛ラブユー」をはじめとする商品名にはそれぞれのストーリーがあり、質の高い原料を使用しているだけでなく、優雅な気分の中にも楽しさのある製品づくりを目指してます。2004年は店舗数を28店から46店に拡大し、日本全国でチェーン展開をしています。店舗だけではなく、カタログ、ウェブサイトによる通信販売も行い、2005年2月からは携帯電話のサイトによる通信販売も開始しました。
| 創設者インタビュー Mark Constantine |
■インタビュー:マーク・コンスタンティン(ラッシュ創立者、開発チーム代表)
クリエイティブでユニークなラッシュ製品は一体どんな風に生みだされるのか、ちょっと知りたくありませんか?ラッシュ開発チームのリーダーでもあるマーク・コンスタンティンに、その発想の源と開発現場の様子を語ってもらいました。
――まずは、開発チームのメンバーについて、教えて下さい。
「私と、私の妻のモー、それにヘレンの3名で製品の開発を担当しています。私たちはもう、20年以上も前からずっと一緒に仕事をしているので、お互いのことをとてもよく知っているし、役割分担も協力関係もとてもうまくいっています。
――ラッシュの製品には、常に既成概念への挑戦のようなものが感じられます。
「他とは違うものを作りたいのです。同じものなら私たちが作る意味がない。ラッシュではスタッフ全員がアイデアを出したり意見を言う権利を持っています。これが、ラッシュが常にクリエイティブであり続けられる理由だと思っています。
開発チームがラボでつくった試作品を、今度は製造チームが商品として成立させるために大変な労力を費やしていきます。開発と製造が完全には分離していないのがラッシュのいいところ。お互いの間を何往復もし、双方のアイデアが追加されながら完成していくのです。」
――チーズのように塊のままディスプレイするソープやサラダバーのようなウルトラフレッシュフリッジ(生パック)。このユニークなスタイルは、どのように生まれたのですか?
「よく、チーズにそっくりなソープを見て“なるほど、これは食べ物を模したわけだ”と考える方がいるのですがそうではないのです。ラッシュは純粋にクリエイティブなものです。決して安易にチーズに似せて作ろうとしているのではなく、結果としてそうなっただけなのです。このスタイルを最初におもいついたのは、ヘレンでした。彼女は、カットする前のアロマバーの大きな塊に、まるでヴァン・ゴッホの絵のように花をあしらいました。そう、まるで大きなキャンバス描かれた絵画のように。モーと私はそれを見て感動し、そのまま店にディスプレイしたくなったのです。実際見せに置いてみると、チーズの塊が並ぶデリみたいな雰囲気になったというわけです。
ウルトラフレッシュフリッジ(生パック)は、ラッシュの新鮮さのシンボルとして開発しました。私たちは、常に新鮮さをモットーにすべての製品をつくっていますが、お客さまにはなかなかそれが伝わらない。ふつう、化粧品が新鮮かどうかなんて気にしないものですからね。でも、私たちが細心の注意を払っていることをもって知って欲しかった。“見て見て!フレッシュだよ!”ってね。あのスタイルをもって主張しているわけです。」
――それと、日本でもとても人気の高いバスボムのストーリーも教えてください。
「あれを考えついたのはモーです。イギリスには、重曹入りの入浴剤というのはありませんでした。日本には薬用のものがあったそうですがね。昔からあったのは泡の入浴剤ですが、あれは別段肌にいいというわけではない。私たちは、肌にやさしいものを作りたかったのです。特に子供の肌によいものを。そこで、お湯をマイルドにする重曹にクエン酸を混ぜて、フィズにすることを考えついたのです。サイズもこの際思いっきり大きくしよう、その方がおもしろいよ、ということであの大きさになりました。ラッシュのバスボムは楽しんでもらうことが第一だと思っています。」
――マークさんにとって、製品づくりとはどのようなものですか?
「絵画のようなもの。あるいは料理のようなものです。単にこれとこれを入れれば、誰にでもできるというようなものではなく、経験とカンが不可欠です。素材はもちろん重要ですが、それらを調合し、製品として形にするという過程こそが私たちラッシュのオリジナリティなのです。やっていることは、非常にシンプル。私たちは20年かかってシンプルということに辿り着きました。もちろん、見るからに単純というのではいけませんよ(笑)。こんなすごいもの、どうやって作るの?と思わせられるものをシンプルに作るということです。料理と同じです。シンプルだけど、その人が作ると違ったものになる。達人の域とでもいいましょうか。それが、私たちが到達したいと思うところなのです。」 |